配信遊戯

【沙布らぶ・著】「ん、ぅ──すげぇ……ギュウギュウ絡みついてきてっ……やっぱり、見られて興奮してる?」「う、うんっ…知らない人に見られながらエッチするの、気持ちい、ッあ!」──恋人の昌人から結婚を告げられたとき、千香はにわかには喜べなかった。今日が最後かな。もう引退か……秘密の性癖が彼女にはあった。昌人とつきあいながらも、密かにマンションの一室から配信する自分の痴態。ライブ配信アプリで、「見られる」ことに異常なまでの快楽を覚えてしまった千香は、結婚を機にその瞬間を手放さなければならない──すでにアダルト動画部門で配信王となっていた彼女には、Mと名乗る熱烈なファンがいて…自身を曝け出す解放を描く、淫楽の短編!

獣夜

【うかみ綾乃・著】村に伝わる因習の生贄となり、娼婦として生きるサク。納屋に隔離された姉に会うことを禁じられた新太は、年に一度、祭りの夜にサクと過ごすことだけを楽しみに暮らしていた。そして、その祭りの夜──納屋からサクが消えた。連れ出したのは弟の新太。みじめな生活から抜け出すため、ふたりは村を捨てたのだった。姉弟が消えたのを知った村の消防組はふたりを追跡する。捜索隊を率いるのは、姉弟にやさしかった耕作。しかし彼は己を卑怯者と自嘲していた。追っ手のせまるなか、ふたりは死を覚悟する。そして幼い姉弟は肌を合わせ、こえてはならない一線をついに……。ふたりの運命は、そして耕作の下した決断とは──? 団鬼六賞の大賞受賞作家による秘蔵の作品がついにお蔵出し!

はだしの女神

【沙布らぶ・著】わたしの一番深い部分が、今はとても満ち足りているのだ。「ほら、もっと触ってみてもいいのよ? 足、好きなんでしょう」──理絵には発情期があった。その感覚は会社に新人たちが入ってくるころになると、徐々に狭まっていた。そんなときに顔を出すのが、ディアーナというバー。いわゆるハプニング・バーで後腐れの無い情欲を満たしていた。ある日、馴染の男二人と享楽に耽った後、まだ何かもの足りなさを感じていた彼女は一人の男の視線を感じる。なんと後輩の西口くん。秘密を共有化しようと個室に誘い入れると、足で踏みつけることを乞われ──初めての趣向が、空白のピースを埋めてくれることに気がついて……。欲望の深奥を描く傑作短編!!

箪笥男

【越後屋・著】「い、いやあっ! み、見ないでぇ! お願い、私を見ないで、い、いやああぁぁぁっ!」──隣に引っ越してきたよしみで知り合い、身体を合わせるようになった女の部屋に、その日予定を変えたパトロンがやってきた。女の顔立ちは悪くない。体付きは少し大柄だが、顔はハニー・フェイス。出るところは出て、締まるところは締まっているいい女。そんな男がまさに挿入のタイミングで──男は寝室の洋箪笥の中に押し込められ、パトロンの爺さまが出ていくまで身をひそめることを余儀なくされたのだが、女と爺さまの交わりをこっそり覗くと、それに気が付いた女が劇的に変わっていき……覗きの愉悦と、覗かれる昂揚を軽妙に描く、名手による淫靡な短編!

処女の器

【橘真児・著】愛花は、ボーイフレンドの徳司のモノをマジマジと今日も観察していた。まだ、カラダは許していないし、彼も無理にとは言ってこない。いわゆるBまでの関係だ。ただ、徳司には気持ち良くなって欲しいから、白濁液は絞り出してあげていた。そんなある日、クラスメートの美和子から、喪失時の恐怖にも似た痛みを聞き、いたって楽観的に考えていた、来るべき初体験を恐れ、悩み始める。とりあえず、次は口に入れて舐めてあげればいいか……彼のは普通の男子より大きいのか、大きいのは本当に挿いるのか、そのときどれほど痛いのか──処女と童貞の高校生同士の、その時を迎えるまでの悪戦苦闘?を、女の子目線でコミカルに描き出す快作短編!

真夏の殺意

【渡辺やよい・著】相場は、真夏の太陽で焼け付いたアスファルトの上に立っていた。これから、自分をいとも簡単に切り捨て、豪奢な暮らしを享受する岩佐に復讐するためポケットに折りたたみのナイフを忍ばせて──リストラの恨みから出向いた高級住宅街で、応対に出た上司の妻と相場は対峙する。主はおらず、妻を脅せば夫は愛人と海外旅行中だと……激情は目の前の人妻への欲情に変わり、人妻も一時の情欲に溺れ、密室で汗まみれの──激しい情動の中で、逢瀬を重ねるようになった男と人妻の前に、夫・岩佐があらわれとき、二人に殺意が! 著者、得意の淫楽と劣情短編!!

最後の夜に

【乃村寧音・著】快感が奥からじわじわと上がってきてしまい、悔しいけれどもう限界だった。縛られて感じるなんて嫌なのに──七海と亮介は、5年間恋人だった。派遣社員と売れないベーシストという組み合わせは、決して贅沢な関係ではなかったけれど、仲はよく、それなりに幸せだった。が、七海が三十歳を迎えたとき、実家から、堅実な家庭を築き、介護が必要となった父の世話を母と一緒に看るよう乞われる。三十歳は節目なのかもしれなかった。別れ話を切り出しお互いに納得したそのあとで、七海は亮介に半ば強引にベッドへ連れ込まれ…。初めてのSMゴッゴが思わぬ快感を──恋人として過ごす最後の夜のめくるめく愉悦と切ない思いを描く、書下ろし短編!!

未明に孵る

【沙布らぶ・著】「ぁ、あぁっ……! や、やだ……こんな、外で……!」ぐにぐにと乳房の形を変えられながら、わたしの体は上下に揺れる。そうする度に、じわりと湿りはじめた股間が彼の太腿に擦りつけられた。ぐりっ……と弱い場所を刺激され、つい声が出てしまう。わたしの体は従順に快楽を──赤羽詩織はどん詰まりの三十歳を迎えて、もがいていた。ボロボロになる前にストレス解消の方法として選んだのは近所にできたフィットネスジムに通うこと。そこでインストラクターの高野と出会う。高野は弟の友人で、高校時代の後輩だった。彼を思いジムのシャワールームで自慰……。解消には程遠いある日の夜──妙齢女性の焦燥と乾きをリアルに描き出す書下ろし掌編!

アザミの棘

【越後屋・著】二上静江は清楚な魅力にあふれた人妻だった。重役の夫と何不自由の無い生活を送っていたが、ある日突然、黒衣の美女に誘拐される。下半身にタオル一枚をあてがわれ、連れて行かれた先は森の中の洋館風の別荘…彼女を待ち受けていたのは禁断と背徳の調教生活だった──媚薬責めに悶え、恥態をDVDに撮られ、欲情に濡れ始める静江。そして犯人の薊子の目的が明らかになるとき、事件に隠された意外な真相が明かされる…。人気官能作家が描き出した、女による女への復讐劇と悦楽の傑作長編。淫靡な責め、甘美な屈服、そしてマゾヒスティックな美しさを放ち続け、各種媒体での絶版後、古書ではプレミアムがつくほどの著者、幻の逸品!!

年下美人上司

【橘真児・著】たいした大学出でもない27歳の洋一郎が、将来を嘱望されるほど、大手化粧品会社の商品開発部で実績をあげられたのは、鼻が利くという特技があったからだ。ところが、突然、転属辞令。鼻が利きすぎて、匂いに反応してしまう言動がセクハラと取られてしまったらしい。時を同じくして現れたのは、新室長の、天幻寺奈々花。アメリカの名門大学を卒業して、つい最近まで海外の化粧品会社の広報で活躍していた24歳──年下の上司。洋一郎の鼻が蠢きだす。匂い、香り、フェロモン。洋一郎にとってそれは、最高の性的誘惑で──奈々花は洋一郎を、咎め、苛め、やがてほのかに感情が通い出し、社内でイベント会場の片隅で……特異な才能と、年下にしてやり手の女上司が巻き起こすラブ・コメ物語! 「週刊プレイボーイ」連載中から大人気の作品!

僕の可愛い上司サマ

【橘真児・著】あの男が3年ぶりに帰ってきた──3年前、大手化粧品会社の広報室から商品開発部に戻された洋一郎は鼻が利くという特技をいかし実績をあげ、翌年研修のため渡米、2年ぶりに日本に帰ってきた。帰国後、洋一郎は中国進出の責任者として広報部副部長の辞令を受け、かつての上司であり恋人でもある奈々花の上司という待遇に戸惑いながらも、愛しい人の待つ広報室へと急ぐ。そこには、才色兼備ながら貧乳コンプレックスをいだく室長の奈々花をはじめ、かつての同僚であるロリ顔主任の亜子、そして新卒で巨乳の美由がいた。なつかしい広報室は多少の異動はあったものの、女の園であることはかわらないまま。そんなオフィスでくりひろげられるラブ・コメディに美貌のチャイナ娘と金髪レディが参戦し洋一郎は5人の美女に誘惑されたり、翻弄されたりして……。『年下美人上司』の続編として「週刊プレイボーイWEB版」に連載された幻の大人気作品!

螺鈿の小箱

【沙布らぶ・著】「美しいもの」に囲まれて送る生活に、浅香はドップリと浸かっていた。マンションの一室は、彼女好みの雑貨や絵画でぎっしり埋め尽くされている。カラヴァッジョの絵画のレプリカ、天然石で作られた地球儀、精巧に作られた少年の脚トルソー、そして美しい男たちとのひととき──女子高時代の「恋人」だった莉々子先輩から声をかけられ、出向いた彼女の店で見つけた司くんも美しかった。いつものように、ざわめきだす心は抑えつけれるはずもなく浅香は司くんを誘い出す──司の下着は、すべて女性用だった。「犯して」と頼む司くんの願いを、深く、激しく実行に移すと……女性になりたい美男子を通して、自らの性を見つめ直す短編会心作!!

花売り剣客1

【八神淳一・著】二十歳の真央はひとり、西国のある藩から江戸へ出てきた由緒ある武家娘だ。藩では兄たちの見よう見まねで、女だてらに剣の腕は立った。しかし、ゆえあって許嫁を斬り捨てて──「花、花はいらんかねえっ」両国広小路で、姿形を偽り、今日も朝顔を売っていた。路銀も底をついたとき、一切合切、江戸での面倒をみてくれたのは、一つ年下の沙紀という水茶屋の看板娘。が、沙紀には、悪い虫、謙吉という男がついていて──あるとき、謙吉の借金の形に連れ去られる沙紀を見つけた真央は、密かにあとをつける。すると……人気の「剣客」モノ! 連作短編その1

花売り剣客2

【八神淳一・著】「花、花はいらんかねえっ」両国広小路で、今日も真央の声が辺りに通っていく。それは仮の姿。三月前、破落戸を斬った。腕が鈍らぬよういつもの廃寺で密かに竹刀を振っている──朝顔を届けてくれる生真面目な浪人新兵衛は、小料理屋の志津と恋仲に落ちていた。しかし、志津には、鬼蜘蛛の辰蔵という昔の男が付きまとう。新兵衛は志津から頼まれていた。あなただけの女になりたい、と──そんな折、胸に鬼蜘蛛の彫物をした悪漢に、真央の花売りの常連客、百合がお店の強盗ついでに処女を散らされたと聞き……著者、大人気の「剣客」モノ! 連作短編その2

花売り剣客3

【八神淳一・著】真央は江戸にやってきて、花売りをはじめて五カ月になろうとしていた。岡っ引きの政造が今日も声をかけてくれる。なにかあったら、すぐに言えよ、と。政造をみる度に、西国で斬った思い人、圭一郎を思い出していた──水茶屋の沙希が最近、誰かに帰り道をつけられているらしい。案の定、直参旗本の無頼の三人が、沙希を狙っていた。たまたま、噂を聞きつけて助けに入った政造の目の前で、真央までが嬲られ──著者、大人気の「剣客」モノ! 連作短編、最終話!!

蕩ける肌雪

【瀬井隆・著】青く晴れ渡った三月下旬の平日、由里は胸を高鳴らせ、雪の上を歩いていた。卒業式のその日、鹿賀先生に動画を、学校裏手の誰も来ない丘の上で、撮ってもらう約束をしていたのだ──ひょんなことから、怒ると怖い鹿賀と口を利くようになった。鹿賀はそれまで撮っていた対象を「セーラー服」姿の教え子に替えた。ただ、それは本当に指一本触れない純真な「撮影会」だった。が、卒業式の今日は──やはり、鹿賀も教え子ではなく、一人の女として、その日は構えていて……著者、得意の「女子汚し」、傑作短編!

白い部屋

【寒竹泉美・著】夫とはもう半年以上、肌を合わせていない葉月は、国崎クリニックで今日もクライアントと向かい合っていた。唯一の治療、それは、話を聞いてあげることだった。飯田という、問題のあるクライアントにいつも、しかもわざと性的な悩みを聞かされる。そして、言動が犯罪行為スレスレの「診察」となったとき、院長である国崎から渡されたもの、それは淫靡な玩具だった──カウンセラーが問題を抱えているとそれはクライアントに伝染するという理由で──すべてがそこから変わっていく。葉月の夫への愛、いや、男女の関係すらも壊していき、ついには国崎と肌を重ねるようになっていくが……

ご主人様の時間

【深志美由紀・著】「くぅ……う、ううっ」内側から敏感な場所を刺激してくるローターを挿入したまま、芹はご主人様の命じられるまま夜の公園を歩かされていた。羞恥にしゃがみこんだ瞬間、ご主人様が背後から抱き締めてくれた──清水と出会ったのは十六のときだ。女子大に入り十九のいまも関係は続いていて、数々のご奉仕を体験してきた。強いられてきた「行為」は嫌ではなかった。命令を聞くのは気持ちがよい。包容されているかのようなとてつもない安心感。ただ、ご主人様の恋人でもなんでもない、ただの奴隷だった──芹はある日、彼の会社のある駅前で幸せそうに清水の家族が笑顔を交わしているのをこっそりと覗きみながら……

愛はいらない

【睦月影郎・著】吉井祐希は、高校を卒業して一浪目の夏を、近くの川の堤で迎えようとしていた。七夕の夜、いまは短大に通い始めた大沢麻衣を待ち構えているのだ。人気のない、寂しい堤を彼女は必ず通って家路につく。この三年間の思いを果たすことが叶えば、この堤は二人の人生にとって思い出の場所になる。こちらには愛があるのだ──麻衣が案の定やってきたそのとき、白いセダンが彼女と接触した。狭い堤通り。彼女は転倒して斜面をころげ落ちる。ああっ! 一旦、停まった車のナンバー、その数字に祐希は覚えがあった。持主は黒島恵理子。高校時代の独身の国語教師──麻衣を介抱する一方で、祐希の頭の中では姦計が頭をもたげ始める! タイトルの裏側にある、男の思いを描きだす、中編快作!

蝮の舌

【うかみ綾乃・著】「この森にはね、蝮が出るのよ。誰も入っちゃいけないのよ」──伝統ある生田流箏の家に生まれ育った姉妹、京香と清香。伝統とは裏腹に、家の窮乏は深まっていた。そこにつけ込み、箏の世界で権力を握ろうとする二人の男の卑劣な罠によって、生来の激情が剥き出しになっていく姉。一方、姉の婚約者に一途な想いを寄せてきた複雑な嫉妬心から、自ら暗い罠に堕ちていく妹。この姉妹を幼い頃から見守り続けてきた使用人の正巳。そして──四年に一度の盛大な祭事「蝮をどり」の夜、聖なる森への入り口が開く……。愛と性を描き、絆を描く、著者渾身の大作! 第二回団鬼六賞大賞受賞作品。『エロスが何かわかっている』と選考委員・石田衣良氏に称賛された逸品!!

花鳥籠

【深志美由紀・著】平凡な主婦・寧子は「S」と名乗る男との2ショットチャットで秘めた欲望を満たしていた。「命令」「実行」「報告」のスパイラルは次第に過激なものに変わってゆく。ある日寧子は母親を殺したという少年・シュウに「命令」の野外放尿の現場を目撃される。「変態だね」シュウの言葉に震えるほどの羞恥と悦楽を感じてしまう寧子。やがて「S」とシュウが同一人物であると確信、警察に追われる身となったシュウの奴隷となって共に逃亡することを決意するが……。異常な性欲男の独白短編『おれの繭子』も同時収録。第一回団鬼六賞優秀作品! 2013年、元レースクイーンで杉本彩の秘蔵っ子でもあった、森野美咲・主演により映画化もされた話題作!!

その他、一頭の私。

【瀬井隆・著】首都圏の一角にあるその街では、ここのところ奇妙な事件が発生していた。若い女性たちが通りかかった男に肌を露出し、自ら性的奉仕をするという痴女行為──彼女たちの体の一部には、ナンバーのような数字がペイントされているらしい。加害者女性の両親から事件の真相解明を依頼された民間調査会社の新入社員・若菜は、勇んで真相究明に臨むが──「多頭飼い」という倒錯した世界に花開く悦びを描いた、一大官能エンターテイメント作品。幻の『第三回団鬼六賞』応募予定稿を、満を持してお蔵出し!!

薄墨のかすか

【沙布らぶ・著】祖母の千代が他界したとき、二十四歳の雫は派遣社員として働いていた。まだ元気だった祖母から、離れを間借りしている平坂という墨絵画家に、短大卒業の記念に絵を描いてもらいなさいと言われたのは四年前のことだ──描かれることには気が乗らなかったが、訪ねたアトリエで平坂が作品制作に向かう狂気的とも言える表情やまなざしに、なぜか強く情欲を掻き乱される──初体験がレイプという過去を持つ雫には、刷り込まれてしまった妄念があった。四年ぶりに再会した平坂と千代のある秘密を知った雫は、その秘密と妄念を同時に「消化」するために……

昼下がりの誘惑

【早瀬真人・著】大学受験に失敗した亮太は、浪人生活をほぼ毎日図書館通いで過ごしていた。勉強もそこそこに密やかな愉しみがそこには無限に広がっていたからだ。『チャタレイ夫人の恋人』。ちょっと古いがここ四日ほど夢中になっている本だった。第十三章を開いたその日、そこにはメモ用紙が挟まっていた──私は三十七歳の女、チャタレイ夫人のような激しい情事を求めているの。私に会いたければ…思わず妄想が膨らんだ。半分の期待と、そんな上手い話は、と揺れる亮太の前に、偽りなく現れた美沙子と名乗る女は童貞の亮太の脳髄を刺激する容姿で、濃い精を搾り取り……