母娘、恥辱の艶技指導
【瀬井隆・著】もっと私を見て……、あの女より……。未亡人は、かつて恋人だった男との再会を機に抑え込んでいた欲望を引きずりだされて──パート勤めの未亡人・楓は一人娘の高校生・陽菜と穏やかな生活を送っていた。しだいに女らしく成長していく娘は、演劇部に入部し、体で表現することの喜びを知っていく。それはかつての楓と重なった……。ある日、娘が外部顧問から、特別に演技指導を受けていると聞いて見に行くと、そこには楓が小さな劇団の看板女優を張っていた頃の恋人で、名演出家だった神坂の姿が! 当時、彼の指導に夢中になったものの神坂の異常な性嗜好に危険を感じた楓は演劇と彼に同時に別れを告げていた──。そして、純粋無垢に神坂を慕う娘と欲望持て余す未亡人の官能劇第二幕が、いまはじまる。著者、商業作品断筆直前の、哀しく滑稽なまでの性愛賛歌。「汚れの瀬井」が冴え渡る、同名「悦」文庫(2018年)の書下ろし『原本』!!
乱れ三重奏! 熟女教師と女子大生
【瀬井隆・著】「あああ、頭おかしいんじゃないの? 女の子にこんなもの着けさせるなんて、あんたの変態っぷりは、なに、底なし沼なわけ?」……女子校勤務の非モテ教師・圭介27歳は、男を小馬鹿にしている学年一の美少女・彩乃に悶々とした想いを抱き続けていた。彩乃が卒業して数か月後、自分がまだ高校生だったとき、その童貞を奪った魔性の女教師・留美とひょんなことから再会する。なんとそこには彩乃の姿が! 実は二人は親戚同士で、彩乃の隠された性癖を見抜いた叔母の留美は、とある淫らなお願いを圭介にしてきて……留美の手ほどきにより、一度でいいからモノにしたかった美少女と遂に一線を越える圭介だったが、彩乃の想像以上の痴態とツンデレにいよいよ変態教師の性指導はエスカレート。美熟女の奸計と美少女の目覚めに、ついに自制心は決壊!? 被虐と嗜虐を乗り越えて愛にあふれる、同名「悦」文庫(2016年)の書下ろし『原本』!!
快感! おねだりママ
【瀬井隆・著】「だって、こんなところで……そばで息子が勉強しているっていうのに」開かれた美熟女の真っ赤な唇が、予想通りの言葉を吐いた。ドキドキするような体験に、長いこと焦がれていたはずだ──コネで入った学習塾で冴えない雑用係をしている聡は、どういうわけか昔から、女性に警戒心を持たれず、すぐに打ち解けることが出来た。さらに、彼自身も節操がないため、ところかまわず手を出し、その結果、自らの首を絞めていることも多々あったが……そんな聡だからこそ、塾の仕事を通じて見出した自分の働き甲斐は、「欲求不満な主婦たちにスリリングな性体験を味わわせること」。母親たちの口は軽く、次々と噂が広がり、深夜の教室で、人妻の自宅で、屋外の公園で、次々とギブアンドテイクの関係に聡は満足していたが……軽快な被虐と嗜虐が綾なす、著者得意のマゾ艶笑譚。こってり、むっちりの同名「悦」文庫(2015年)の書下ろし『原本』!!
完全版 僕の母〔完全版〕
【高竜也・著】十七歳、高校二年の直紀の苦悶は、悪友の宏司の言動から始まった。「姉の朋江を抱かせてやるから、そのかわり……」彼の囁きが、多感な青春をはじけさせ、燃え上がらせ、滾らせていく。女体への憧憬と数々の奸計は、しかし、どうしても魅せられてしまう母の美穂子に収斂していった。繰り出される淫戯はいつしか堂にいり、女の悦びを見出すと、男の自信はましていく。背徳の剛肉を待ち、はしたなく開いてしまう女の身体は、もはや一線を越え、取返しのつかない地点に達する。その時、母・美穂子の決意は──禁断を知りつつ、引き返せない母子の肉体と心理ををつぶさに描き、その悦びと哀しみを時代を超えて照射する、著者、相姦物語の最高傑作、完全版!!
完全版 僕の母〔下〕
【高竜也・著】「反省しましょう。二人で……あなただけが悪いなんて言わないわ。それを許してしまった私が一番いけないのかもしれない。ね、もう一度、以前の楽しかった頃に戻りましょう」執拗にエスカレートする直紀の行為に、母・美穂子は背徳と愛情の狭間で揺れる。もう許して、私たち母子なのよ!……父・拓也の愛人や宏司の姉との女性経験もつみ、若い獣性に磨きのかかった直紀は、飽くことなく禁断の領域に──息子の愛に悲嘆しながら、母として、人としての決意を固めた美穂子の行きつく先は何処か。いつしか自ら身体を開き始めた己と、尽きない欲望を隠せない息子との関係を昇華するには──若すぎる男の真っすぐな情欲と、苦悩する女の心情と肉体を、相姦の語り部の著者が描き出した、圧倒的な近親絵巻。母子相姦の金字塔、完結(1987年初刷)!!
完全版 僕の母〔上〕
【高竜也・著】夕暮れ近い公園で、十七歳の直紀は悪友の宏司から目の前に写真を突き付けられた。胸元がはだけ、脚が大きく左右に開かれ、ベッドに横たわる女の写真。ピンク色のスキャンティの中に忍び込む男の手……酔いつぶれた宏司の姉だという生写真を無理やり見せられたことがすべての始まりだった。性衝動の昂りに火が付いた直紀は、さらに映像プロデューサーとして名をはせる父親の部屋に隠されていた持出し厳禁のビデオを発見する。そこには、母の秘戯が収められていて──未消化の淫情が、美しく若い近親に向かい始めるのに時間はかからなかった。「なんて柔らかくて甘いんだ、お母さんの身体……」狂い始めた好奇心はやがて夜ごとの秘め事に。禁断の母子関係の予感に懊悩する、元・女優の母、美穂子。彼女にも夫・拓也との乾いた生活と、初恋の人・井本への思いが交錯していて──背徳の悦びと哀しみに溢れる母子物語(1987年初刷)!
最終面接
【草凪優・著】IT企業の天才社員にもかかわらず、自ら一人部門に就いている仲井戸紘一。人づきあいは苦手、さらに女はまったくダメだった。 閑だろうと駆り出された新卒採用の面接で、どうしても就職したいという瀬奈香澄に出会ってから徐々に人生が動き出す。 入社を諦めさせようと思い切ったセクハラをするが、瑞々しさに次第に惹かれ、コネ入社狙いの強気の美人、平良彩乃まで現れて……。『この文庫がすごい!2005』(宝島社)で官能文庫大賞を受賞した『桃色リクルートガール』(双葉文庫)を底本として、2010年に大幅加筆修正を施した初期代表・最高傑作!!
新妻愛液通信
【内藤みか・著】「人妻なんだから、うまいんじゃない? いつもどんな風にしゃぶってんのか、やってみせてよ」──お見合いパーティの後で、実は人妻なのと打ち明けると、かえって男たちの目の色が変わることに二十七歳の亜矢乃はとまどった。が、二十二歳の和也とは流れるプールの水中で若い男女のように交り、ふたたび訪れたパーティでは、上手にホテルに誘い出された年上の健人にこりこりと女豆を噛まれて、一瞬開いた唇の中にそれがめり込んできたのだ……。男達の視線を集めることができるカップリングパーティーで、忘れてしまいそうな女の部分の刺激に溺れる専業主婦を描く「人妻亜矢乃」、夫のためにと始めたバイトがいつしか人妻売春の快楽に蕩ける表題作「新妻愛液通信」など、貞淑なはずの若い人妻たちが見せる淫らで激しいひととき。1996年~2000年にかけて発表された、著者至極の『妻モノ』傑作8編を収録した若妻精選短編集!
女教師 美畜の檻
【藍川京・著】「舐めるときは、鈴口も舌の先っちょで丁寧に舐めまわせ。頭を引くときは、口が真空になるようにできないのか。ちがうと言ってるだろう!」──この春、白石紗苗は母校の海聖女学園の新任教師として着任した。学園の園長・城島は、紗苗の父・裕吾が亡くなった折、学費を免除してくれ、母・志保とともに大恩を感じていた。しかし、心優しい学園長であるはずの城島は、女をいたぶって無上の悦びを覚えるという裏の顔を持っていた。さらに城島の悪友、岩井は高校時代から志保に想いを寄せていたが、裕吾のてまえその思いは叶わずにいた……。まじめに生きてきたはずの母娘が、ふたりの男によって性奴隷へと堕とされていく。いつしか大物代議士の常田までが、悪鬼ふたりからの貢物となった母娘の菊蕾を狙い──痛みと快楽の渦の中、恥辱とともに貞淑な母娘がメスへと変わっていく様を描ききる、ハードSM傑作長編(2000年初刷)!
叔母と美姉──初めての誘惑レッスン
【高竜也・著】明日から夏休みに入るというとき、誠治はテニス部の先輩で全校生徒の憧れでもある小坂麻由が校内で愛しあっている場面を目撃してしまう。その夜、麻由から呼び出され、体に触れることで昼間見たことへの口止めを約束させられた。しかし、寸前までの施ししか与えてくれなかった麻由との接触に若い性感を持てあましていると、なんと叔母の九条奈美と二人きりで北海道旅行に誘い出される。奈美は、実姉の夕子とともに誠治を甘やかしてくれる身近な存在だった。「教えてあげるから……じっとしていていいの」と言う奈美と背徳の交わりを経験し、自信を深めた誠治は、麻由との相互剃毛、姉弟での交合へと禁断の階段を登り、ついには姉の夕子のアヌスにまで欲望を滾らせて……。先輩、叔母、姉。身近な美女3人によって少年が男へと変わっていく熱く、甘い季節。近親と年上女性への憧れを見事に融合した本格官能長編(2006年初刷)!
母は女教師
【高竜也・著】「先生、お願いだからいってよ。とても気持がいいって」修司がこんもりと眼の前に盛りあがった薄い芝生の丘を見ながら、その下の裂け目に指をくぐらせる。ああ、男子生徒に──幸一は、偶然、叔母の順子が、校内で親友の修司に激しく犯されていく場面を目撃してしまった。同居中の清楚な女教師を、高校生の幸一は叔母として慕い、憧れていた。両親の代わりに、結婚することもなく育て上げてくれた順子は、35歳とは思えないプロポーションで、なんともいい香りがする。想いが次第に強くなっていくときの窃視に、幸一の欲望は一気に昂っていった。修司の手引きで、叔母との「機会」を設けられると、さらなる衝撃が待ち構えていて……初心な幸一のみならず、実母として揺れる叔母の順子の心情を鮮やかに描いて、運命的な近親の構図を、唯一無二の純愛物語として昇華する、初期最高傑作長編!!
緋の館
【藍川京・著】「わたしのこと、好き? 本当のことを言って。そうでないと、何も答えられないの……」──上司につれられた城ノ原財閥のお屋敷で、橘洸介は十六歳になったばかりの妖子と引き合わされる。彼女に惹かれる己を自覚しながら、異様な雰囲気と噓のような妖子の言葉を信じきれないまま、その日洸介と妖子は夫婦となった。俗世と断絶された由緒正しい屋敷には、時代から取り残されたような「戻り部屋」と称される仕置部屋があり、妖子はそこで「鞭で打って。印をつけて」と洸介にねだる。常識から外れた妖子の言動は、愛と背徳と官能に満ちたこの家の「しきたり」によってつくられたものだった……デビュー直後の衝撃作『相姦図 発情教育』(マドンナメイト1989年)を大幅に加筆修正した『緋の館』(太田新書2005年)を底本として電子化した、著者、極限の官能ファンタジー!
歔き紅の女
【藍川京・著】「後ろに入れられるときは息を吐くのよ……」排泄器官でしかないと思っていたアヌスをいたぶられようとしているのに、そう言われ、美希は切ないような感覚に襲われた。諦めというより、この妖しさを感受したいという否定しがたい気持ちも湧いて──父が病に倒れると、会社と家庭両方の面倒を見ようという伯父の隆史が、星原家に姦計を仕掛け、二十六歳の美希は北鎌倉の一文字の屋敷に住込みで働くことに。だが一文字はその道に長け、女を馴致することを無情の悦びとしていた。さっそく羞恥の責めが始まる。清純な躰を貫き、アナル、尿道、と過酷な責めが執拗に繰り返されると、次第に美希は妖しい感覚に囚われて……著者初期ハードSMを凌ぐ、強制開花物語! 隠された傑作官能長編(2005年初刷)!!
浅草でやろう!
【沢里裕二・著】売掛金一億の回収の目途がつかなくなったホストの村上淳一は、歌舞伎町から消える。早朝のタクシーに乗って、ひとまず落ち着くことに決めた先は、誰にも語ってこなかった土地勘のある浅草だ。新宿からの追手もおいそれとは立ち入れない、裏通りの飲み屋街で緊張をほどいていた矢先、すけべな女に絡まれて、店で致してしまう。さらにその女が中居をつとめる老舗旅館に身を潜めることに──艶冨館、一見、訳ありな男と女。なにより未亡人の女将が妖艶すぎる。北浜の相場師として一世を風靡した爺さんに引き回され、すけべな中居の先輩キャバ嬢に責められ、中居は中居で……『未亡人女将の宿』を大幅に加筆修正した、リアル水商官能ハードロマン傑作!
二年A組泣き虫先生〔完本〕
【橘真児・著】亜紀夫は成績も運動も容姿も振るわない、県立進学校の新二年生男子。面倒事を引き受ける役回りの彼には、一年生のときから密かに思いを寄せる同級生の女子、めぐみがいた。クラス委員長をさっそく押し付けられて、いつものように渋々受け入れていたときに、なんとめぐみが副委員長に立候補してくれて、一気に性春が進みだす。が、BL好きの友人や、セレブな女生徒会長、その少女とレズっ子の美人、それぞれの妹や弟までもが、体育祭、合宿、生徒会長選挙、対外試合、文化祭などの行事の折々に、指で、胸で、口で、そして──なにより、一度、アルコールが入ると豹変する、教職二年目の綾子先生が、ふたりの恋路の邪魔をする。付き合っていた男にフラれたことが原因で、妙齢処女の欲望が一気に暴発する厄介な泣き虫先生……「週刊プレイボーイ」連載時から単行本化を望まれながら、青春時代の濃くて甘い粘液溢れるEL描写ゆえに刊行を許されなかった、著者本領発揮の学園物語大作、電子版でついに復活!!
二年A組泣き虫先生〔上〕
【橘真児・著】「せ、先生。出ますッ」「いいわよ。いっぱい出しなさい」しごきたてる動作が激しくなる。嚢袋も揉まれ、たちまちめくるめく瞬間が──亜紀夫は土岐峰高校の二年生。成績は中程、運動も容姿も振るわない。頼まれると断れない性格で、クラス委員長の面倒を押し付けられた。担任の綾子は、教職二年目。なにかあるとすぐに涙をこぼしそうになるのが有名な家庭科教師。そして酒で人が変わる欲望処女!教官室で料理酒を空けてしまった綾子は、ひとりやってきた亜紀夫に、案の定、大胆な誘惑に出る。泣き虫先生の面影は微塵もない。生徒と女教師、あわや、の瞬間に副委員長のめぐみがやってきて……県立進学校で巻き起こる、カウパー&女蜜まみれの青春エロ・コメ、春編! 幻の「週刊プレイボーイ」連載作品・上巻!!
二年A組泣き虫先生〔中〕
【橘真児・著】「何をするんですか!?」「だって、あなたはまだでしょう?」ベルトをはずし、前を開きながら京華が告げる。「わたくしも、お口でいたしますわ」──ふたりきりの生徒会室で、三年生で現生徒会長の京華が、亜紀夫の絶頂クンニへのお返しにフェラをほどこそうとする。慣れた手つきに、先走りが彼女の手指をネチャネチャと濡らす。美貌と気品を兼ね備え、存在そのものがセレブと言うべき生徒会長から、淫靡な相姦告白を聞かされながら、次期生徒会長候補として立候補するように命じられ、それを受け入れたご褒美……めぐみの中三の妹の罠、学年一番人気の知美のお節介、生徒会長・京華の企みにますます勃ち止まれない、淫汁溢れる学園エロ・コメ、夏編! 絶品の「週刊プレイボーイ」連載作品・中巻!!
二年A組泣き虫先生〔下〕
【橘真児・著】「亜紀夫君の大きくなってる」めぐみは意を決したように見あげ、「わたし、もっといっぱい亜紀夫君を感じたいの……からだ全部で──」濡れた眼差しで訴えた。「ね、亜紀夫君のこれ、今日こそわたしにちょうだい」──亜紀夫とめぐみは惹かれ合い、お互いに恋人同士に成長していたが、酒で豹変する綾子先生や、BL好きの美人同級生知美、セレブ会長の京華、その同性の恋人奈々恵たちに弄ばれて、本当の交わりはまだ未体験だった。処女検査?で薫と綾子と事故ってしまい亜紀夫は純粋童貞ではなかったのだが、心の底から結ばれてこそ初めての経験なのだ。それはめぐみと……直前で、なぜか邪魔が入るふたりに、ついにその時は訪れる!? 濡れ勃つ学園エロ・コメ、秋編! 伝説の「週刊プレイボーイ」連載作品・下巻!!
幸福論
【逢見るい・著】あの女ができなかったことも、あの女がしてくれなかったことも、わたしが全部、シテあげている。わたしの乳房に挟まれた熱が、さっきよりもより熱く感じる──いじめられっ子だった奈々には昔から憧れていた幼馴染の大輔がいた。独りよがりで、強引で、ほろ苦い記憶しかくれなかった彼の結婚式に、幼馴染枠で招かれた奈々は、いつしか新婦の観察をしてしまう──数か月後、勤め先のフィットネスクラブに大輔が突然訪ねてきたところから、奈々の人生は大きく動き出した。離婚の憂き目に早くも陥った幼馴染の「奈々ちゃんには甘えちゃうんだ」という囁きは……女の幸せの形を深く抉り出し、思い詰めた果ての愛を照射する、静かな狂恋の物語!!
モンブランを買う男
【うかみ綾乃・著】永浦は身を横向きにして、涎でぬらついた玲子の頬を優しく撫でてくる。「おまえの中で、イキたい」その言葉がじんと、胸を蕩かす──三年前流れ着いた倉庫街のコンビニで働く玲子の前に、ある日突然現れた男、永浦は倉庫勤めの帰りに、三日に一度モンブランを買っていく。お互いに世を忍ぶふたりが、距離を縮めるのにさして時間はかからなかった。残してきた子供と横領事件。それぞれに切ない過去が交差するとき、時が動き出す。異形の愛は一気に激しく燃え上がり──「まん・なか You’re My Rock」でコンビを組んだ高原秀和が再びメガホンを取り、「悶憮乱の女 〜ふしだらに濡れて〜」として公開、絶賛された映画原作。著者、情愛短編の金字塔!
絵草紙屋善右衛門─義賊振り袖小僧
【越後屋・著】お前ぇ、もしかして、生娘なのか?──悪から奪い、庶民に投げ銭する振り袖小僧は神出鬼没、江戸市中ではなかなかの人気だった。奉行所ではやっきになってこの女を追っているが、誰にも捕まえられない。女鼠小僧などと呼ばれることもある。今度の艶本は、この女義賊・お小夜を主役にすることが決まった。ほどなく仲間の盛吉の執念で、ことは上々に運ぶと思われたが──「お兄ちゃん……」お小夜の悲しく、切なく、一途な過去と現在が明かされていくうちに、阿波屋たちは情のこもった奸計を再びめぐらせた。生娘を淫らに花咲かせるために、練り上げられた責めが冴えわたり、思わず咽ぶ傑作時代官能シリーズ・長編第三弾!!
絵草紙屋善右衛門─乱菊小袖の女
【越後屋・著】反物のこの柄の艶やかさと品の良さに打ち勝つには、着る側の女にもそれ相応の華と品が無くてはならない──紀州屋の頼みは、この反物を纏った女を描いて欲しいというものだった。昨今、市中で人気の危な絵に載せて評判を取ろうという目論見だ。気高く、見目麗しい武家の奥方、お兼に標的は絞られた。お兼は人気役者の藤次郎と料亭の奥座敷で密会を重ねている。そこへ、踏み込み、性感地獄に落とす──「奥方さま、素直におなりなさい」男たちの執拗な責めに、気丈に処していた妻女も、ついに随喜の吐息を漏らし始め……乱菊模様の粋な小袖を着こなす美人を、阿波屋、寒山、東斎が、華やかな艶本に仕立てる、傑作時代官能シリーズ第二弾!!
絵草紙屋善右衛門─女郎蜘蛛の女
【越後屋・著】ほれ、姫貝の中から淫水が溢れ出してきた。こんな痛い目ぇに遭いながら股間を濡らすとは、お前はほんにいやらしい女子やなあ──仕上げの墨を入れられている美貌の女侠客、お蝶を眺めながら男が言葉をかける。痛みは、とうに官能に変わっていた。苦悶は理性を飛ばし、何も考えられなくなっていった。おまけに、子分の伝吉は、褌のそこを大きくしていて──「なあに。艶本を出して首が飛んだ人間は居ませんよ」写生主義者を任じる、江戸の版元、阿波屋善右衛門。そこに連座する、上方なまりの戯作者、星川寒山。情念の絵師、甲斐山東斎。この三人の奸計が生み出す危な絵の舞台を濃密に描く、著者、渾身の傑作時代官能シリーズ!!
ひたむきな、恋
【水戸けい・著】私の処女を貫いたのは、愛する夫ではなく、彼の息子だった──大学卒業直後の仕事も続かず、家に居場所もなくなった真理子の前に、突然あらわれたのは、とうに現役を引退、先妻とも死別した高齢の男・正太郎だった。倍以上の歳の差にも関わらず真っすぐな告白に安寧を見出した真理子に、「子供を作れ」という提案が男からなされる。自分の遺伝子を継ぐ、息子の正則を「棒」として番うことだった──あまりにも初心な女と、狂った価値観で最後を迎えようとする男の奇妙な夫婦生活がはじまる。その息子にとどまらず孫までを巻き込みながら、精緻に艶めかしく描かれる禁忌で純粋な交合……狂気の恋とその淫情が冴えわたる、著者、衝撃のEL第二弾!