女教師 美畜の檻

【藍川京・著】「舐めるときは、鈴口も舌の先っちょで丁寧に舐めまわせ。頭を引くときは、口が真空になるようにできないのか。ちがうと言ってるだろう!」──この春、白石紗苗は母校の海聖女学園の新任教師として着任した。学園の園長・城島は、紗苗の父・裕吾が亡くなった折、学費を免除してくれ、母・志保とともに大恩を感じていた。しかし、心優しい学園長であるはずの城島は、女をいたぶって無上の悦びを覚えるという裏の顔を持っていた。さらに城島の悪友、岩井は高校時代から志保に想いを寄せていたが、裕吾のてまえその思いは叶わずにいた……。まじめに生きてきたはずの母娘が、ふたりの男によって性奴隷へと堕とされていく。いつしか大物代議士の常田までが、悪鬼ふたりからの貢物となった母娘の菊蕾を狙い──痛みと快楽の渦の中、恥辱とともに貞淑な母娘がメスへと変わっていく様を描ききる、ハードSM傑作長編(2000年初刷)!

670円

緋の館

【藍川京・著】「わたしのこと、好き? 本当のことを言って。そうでないと、何も答えられないの……」──上司につれられた城ノ原財閥のお屋敷で、橘洸介は十六歳になったばかりの妖子と引き合わされる。彼女に惹かれる己を自覚しながら、異様な雰囲気と噓のような妖子の言葉を信じきれないまま、その日洸介と妖子は夫婦となった。俗世と断絶された由緒正しい屋敷には、時代から取り残されたような「戻り部屋」と称される仕置部屋があり、妖子はそこで「鞭で打って。印をつけて」と洸介にねだる。常識から外れた妖子の言動は、愛と背徳と官能に満ちたこの家の「しきたり」によってつくられたものだった……デビュー直後の衝撃作『相姦図 発情教育』(マドンナメイト1989年)を大幅に加筆修正した『緋の館』(太田新書2005年)を底本として電子化した、著者、極限の官能ファンタジー!

670円

歔き紅の女

【藍川京・著】「後ろに入れられるときは息を吐くのよ……」排泄器官でしかないと思っていたアヌスをいたぶられようとしているのに、そう言われ、美希は切ないような感覚に襲われた。諦めというより、この妖しさを感受したいという否定しがたい気持ちも湧いて──父が病に倒れると、会社と家庭両方の面倒を見ようという伯父の隆史が、星原家に姦計を仕掛け、二十六歳の美希は北鎌倉の一文字の屋敷に住込みで働くことに。だが一文字はその道に長け、女を馴致することを無情の悦びとしていた。さっそく羞恥の責めが始まる。清純な躰を貫き、アナル、尿道、と過酷な責めが執拗に繰り返されると、次第に美希は妖しい感覚に囚われて……著者初期ハードSMを凌ぐ、強制開花物語! 隠された傑作官能長編(2005年初刷)!!

650円

黒い館

【藍川京・著】「こんな大きなもの……私のオクチには入りません」 男の耳にやっと届く小さな声だった──夫・和孝との満たされない生活が、三十路を迎える結菜に恥ずかしい妄想の日記を綴らせていた。 激しく、恥ずかしく、咎めて欲しい……告白はある日、義弟の大介に盗み読まれる。密かに義姉に惹かれていた大介に、渇きを知られたその場で強引に…。情欲の逢瀬を重ねるためらいは、すぐに快楽に掻き消され、恋に変わる。しかしすべては夫・和孝の恐るべき策略だったのだ。義弟に悦びを求めた妻に、容赦のない調教が「黒い部屋」で始まる──女の性を正面から描く初期代表作にして、長らく二次文庫化をためらわれていた傑作を、2009年に増補・改訂した完全版!

邂逅

【藍川京・著】苦労して、売れっ子のイラストレーターとなった沙季は、四十六歳になっていた。出席した挿絵画家の祝賀パーティの二次会は銀座の一流クラブ。全員の支払の半分を持つほどには成功していた──まだ売れないころ、小さなバーでアルバイトしていたときに、深い関係を結んだ男・新羅がそこに、偶然ひとりグラスを傾けていた。十五年目の再会。出会いは二十三年前にもなる──二次会のメンバーの目を避け、ママに頼んで、そっと渡してもらった名刺の携帯番号に、その夜のうちに……時を超えて結ばれる大人の男と女の純愛情欲短編!

艶文

【藍川京・著】大地震の翌日、散乱した部屋の中から見つかった古い手紙の束。それはかつて紗絵子に想いを寄せていた年上の男からの恋文だった。二十代半ばの紗絵子にとって、十一歳年上の男、久留須はただ会社の雇い主の親友でしかなかった──結婚、離婚を経て、いまは独り身となって震災で心細い思いを抱いた紗絵子は、次第に過去の想い出に誘われる。優しく、上品で熱烈な手紙をくれた久留須──しかし、十五年の歳月は穏やかだった男を、知らぬ間に変えていて……

寒更紗

【藍川京・著】知り合いの展覧会の二次会から逃げ出した三十九歳のイラストレーター雪菜は、以前住んでいた阿佐ヶ谷の行きつけの店「バー ぼけ」に同じイラストレーターの春佳と足を運んだ。ママの千江はサスペンス作家の立科一平の奥方──雪菜は立科と、作家と挿絵画家という関係の中、二回だけ唇を合わせたことがあった。千江に対する後ろめたさと仄かな期待…。しかし、その日はなにごともなく、思いを断ち切ろうと思ったその翌日、立科から一本の電話が雪菜に入った。「店に来たんだってな」──10年近い埋火がどちらからともなく燃え上がり……。

凌霄花

【藍川京・著】凌霄花。橙色で漏斗状のこの花は──太腿を押し開かれた奈月で、そこに躰を潜り込ませている揚羽蝶は、奈月の蜜を味わっている吉武だ──独身OL時代に旅先で知り合った妻子持ちの吉武との五年間は奈月に、強烈な潤いの時を与えてくれた。吉武への思いを持ち続けたまま山瀬とは結婚した。が、凌霄花の蜜を吸う揚羽蝶を見て三日後に、吉武に電話をかけた。すべて了解の上で付き合い、裏切りも約束もなにもない別れから知らずに疼いていた隙間、あの濃密な時間をひとときでも取り戻そうと……。

天竺牡丹

【藍川京・著】夫・広幸の三回忌を終えた三十代半ばの春菜は、数年ぶりに生まれ育った地に足を運んだ.向かった先は幼馴染の拓磨の家。そこには幼い頃と変わらずダリアの花が咲き誇っていた。拓磨の母親に花をもらおうとインターホンを押すと、そこには四十半ばとなった拓磨の姿があった。「お袋が亡くなる前、ダリアをもらいに来る人がいるから、その人が来るまでは大事に育てろと言われたんだ」昔から決まっていた居場所で抱き寄せられた春菜は……。

白い帯

【藍川京・著】十五年ぶりに陶工・悠吾との思い出の地、唐津を訪れた三十七歳の紫歩は、偶然に導かれるように悠吾が描いた塩沢紬の帯と出会う。女主人と語り合う紫歩の前に現れた四十五歳の悠吾は、紫歩を強引に誘う。悠吾の母の反対を理由に結婚を諦めた紫歩。紫歩が黙って去っていった理由を知りたかった悠吾。それぞれ別の相手と結婚した二人が、十五年間の埋み火をふたたびぶつけ合った…。官能文芸誌「悦」掲載の、大人の情愛短編傑作!